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児童性犯罪者

奈良市の小学一年女児誘拐殺人事件を契機に、法務省から警察庁に提供されることになった性犯罪者の出所後の居住地情報について、警察庁は九日、性犯罪者全体を対象とすると相当数に上ることから、特に再犯性の高い十三歳未満の児童を対象とした性犯罪者に絞り込んで検討を進める方針を固めた。ただ、法務省側が保有する居住地情報は受刑者が出所時に自己申告したもので、事実とは異なるケースもある。いかに正確な居住地情報を継続的に把握していくかなど課題は多い。
 奈良市の事件では、逮捕された容疑者が幼女に対する強制わいせつ容疑などで、過去に二度の逮捕歴があったことが判明。性犯罪者の再犯防止策に注目が集まり、漆間巌警察庁長官は一月六日の年初会見で、「(性犯罪の前歴者の)所在を把握するシステムを警察が持たなければならない」と表明した。
 これを受け、刑務所を出所した前歴者の居住地情報を把握している法務省は同月十三日、警察庁と協議して性犯罪の前歴者の居住地情報を提供することに合意した。両省庁は実務者レベルで、情報提供の対象とする犯罪の種類や提供方法といった仕組みの構築に向け、すり合わせ作業を急ピッチで進めてきた。
 情報提供の範囲については当初、自民党の法務部会などで、被害者が成人女性だった場合も含め、性犯罪全体について前歴者の居住地情報を警察が把握すべきだとの意見もあった。しかし、法務省の統計によると、性犯罪受刑者(婦女暴行や強制わいせつのほか、公然わいせつなども含む)は平成十六年末現在で三千九十七人。出所者も加えると相当な数に上るとみられ、絞り込みの必要性が指摘された。
 その結果、児童は「防御能力が弱く、最も保護されるべき存在」(警察庁幹部)であることや、児童に対する性犯罪は繰り返される傾向が強いことから十三歳未満を対象にした性犯罪の前歴がある者に絞って、居住地情報を把握する方向で検討を進めることになった。
 警察庁は現在、十三歳未満の児童に対する性犯罪(婦女暴行と強制わいせつ)の容疑者について再犯状況を調査。現行の統計方法では同一罪種でしか分からない再犯率について、児童買春・児童ポルノ法違反や痴漢、下着盗など関連犯罪も含めて幅広く調べている。
 一方、法務省が保有している居住地情報は、受刑者が出所時に申告する「帰住予定地」に過ぎない。受刑者が仮出所で保護観察下に置かれた場合は居住地がはっきりしており、所在不明になると刑期の進行を止めるために保護観察が停止されることから、居住地情報の把握については一定の担保がある。
 これに対し、受刑者が刑期満了で出所する場合には、「帰住予定地」の欄に「〇〇方面」と地名だけを記入したり、「未定」と記入しても問題はないという。
 警察庁では法務省に対し、「帰住予定地」の正確な住所を受刑者に記入させるよう要請するとみられるが、法的根拠がないために受刑者から拒否されれば強制はできず、居住地情報の把握は難しくなる。
 そのため、警察庁内部からは「前提となる居住地情報が不正確なままでは、仕組みそのものが成り立たない」との指摘もあがっており、前歴者が転居した場合の居住地を継続的に把握する方策も含め、さらに議論を詰める必要がありそうだ。
     ◇
 性犯罪の再犯率 現行の統計方法では、婦女暴行や強制わいせつといった性犯罪は同一罪種でのみ再犯率を集計。強制わいせつの前歴を持つ容疑者が婦女暴行で逮捕された場合は再犯率に反映されない。平成15年中に検挙された成人の性犯罪者のうち、同じ前歴を持つ者は、婦女暴行で8.9%、強制わいせつで11.5%だった。そのため、警察庁では13歳未満の児童に対する性犯罪(婦女暴行と強制わいせつ)の容疑者について、関連犯罪も含めて幅広く再犯状況を調べている。
(産経新聞)
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by ulutimagold | 2005-02-10 13:05 | 社会保障