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2005年 04月 25日 ( 2 )

結婚している10代から40代の日本人男女の約3割が、最近1か月以上性交渉がなく、セックスレス傾向にあることが、厚生労働科学研究班などの調査でわかった。

 この調査は、避妊教育プログラム開発などをテーマにする厚生労働科学研究班(主任研究者・佐藤郁夫自治医科大名誉教授)と日本家族計画協会が、昨年10月に実施した「男女の生活と意識に関する調査」。16~49歳の男女3000人を全国から無作為に選び、性行動について質問、1580人が回答した。

 性交渉の経験があると答えた1329人に、この1か月間の回数を聞いたところ、最も多いのが「なかった」の35・2%。現在結婚している人に限ってみると31・9%(男性28・4%、女性34%)だった。また「1回」から「4回」までがそれぞれ1割前後だった。

 日本性科学会は、特別な事情がないのに、性交渉などが1か月以上ない場合を「セックスレス」と定義しており、今回の結果から3割以上が、その傾向にあることが明らかになった。

 結婚しているセックスレスの人の傾向を分析したところ、性交渉に関心が薄く、異性とかかわることを面倒だと感じる一方、避妊方法を相手と十分相談しないなどコミュニケーション上の問題も見られた。また19・2%は、1年以上の長期間性交渉がなかった。

 日本人の性交渉頻度の少なさは、海外の大手コンドームメーカーの調査でも明らかで、2004年の結果によると、世界平均は年間103回なのに対し、日本は46回と半分以下だった。

 日本家族計画協会の北村邦夫常務理事は「行政になじみにくいテーマかもしれないが、少子化対策としてセックスレスの問題にもっと真剣に取り組むべきではないか」と話している。
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by ulutimagold | 2005-04-25 22:57 | 社会保障
抗争の火種――三水発電所とは?

 今年の3月10日、金正日は両江道に建設中の「三水(サムス)水力発電所」に輸送車両に加えて油圧式掘削設備を送った、と朝鮮中央放送が伝えた(3月11日付)。この間、金正日の動静がほとんど伝えられないなかで異例の報道であった。それぐらい同発電所建設に金正日=労働党が熱を入れている証拠である。完成すれば総貯水量13億立方メートルの巨大ダムと発電能力400万キロワットの発電所となる。アジア第二位の規模だから、まさに記念碑的大建造物である。いかにも金正日が気に入りそうなプロジェクトといえる。
 もっとも、実際には完工の可能性と経済的なプラス効果は甚だ疑問である。そもそも同プロジェクトは、その構想段階から政争の道具として始まったものだからである。ともあれ、上記の「異例の報道」の背景には労働党書記局内部のドロドロした暗闘が隠されている。これを暴くのが本稿の主題である。
 その前に「三水発電所」の建設構想について簡単に述べておこう。元来、同発電所の建設構想は日本の植民地時代にさかのぼる。植民地当局が流刑地での労役刑として着想したが、周辺が石灰岩地帯であるという地質上の問題から計画を放棄した。その後、1970年代初めに故・金日成が再調査を行ったが、やはり莫大な建設費用と工事の長期化の問題から計画断念の結論に至った。
 ところが、すっかり過去に埋もれた「三水発電所」の建設構想は、30年近くの歳月を経た1999年6月、突然に亡霊のごとく甦った。べつに莫大な建設費用を調達できる目途が立ったわけでも、難工事を克服できる新技術を開発したわけでもない。労働党書記局内で組織部(主に人事を担当)と宣伝煽動部の間で権力闘争が勃発したという「暗闘の産物」であった。
 第二次の三水発電所構想が浮上した1970年代初頭、ちょうど金正日が党書記局の宣伝煽動部を統括しており、おかげで当時の宣伝煽動部の権勢は飛ぶ鳥を落とす勢いであった。だが、三水発電所構想の挫折と軌を一にして宣伝煽動部の力がみるみる衰退し、代わりに組織部と幹部部の権勢が増した。かねてよりこれを苦々しく思っていた宣伝煽動部は、1999年6月に乾坤一擲の巻き返しに打って出た。当時、白頭山の革命戦跡地を現地指導で訪れた金正日に対し、宣伝煽動部が責任を持って戦跡地一帯を整備することを建議した。その目玉が三水発電所の建設構想であった。
 この建議を高く評価した金正日は、『白頭山革命戦跡地建設・党宣伝活動家突撃隊』(略称、6.18)を発足させた。その際、金正日は党組織部に対して、宣伝煽動部の事業に助力するよう指示を出した。これが組織部と宣伝煽動部の激しい対立抗争の火種を作ることになった。


対立抗争の導火線と組織部による宣伝煽動部の粛清


 こうして宣伝煽動部の主導により2000年4月1日、まずは白頭山革命戦跡地の整備事業が本格的に開始された。総員5万名規模の「6.18突撃隊」が結成・投入された。革命戦跡地周辺を整備した功績で、それまでは見る影もなかった宣伝煽動部の地位が一挙に高まった。これを機に競争相手の組織部を蹴落として一気に党書記局の権力を奪還すべく宣伝煽動部が最後の勝負に打って出る。それが三水発電所建設である。この権力闘争の総指揮を執ったのが宣伝煽動部のチェ・チュンファン副部長だった。ちなみに、組織部の副部長が張成沢(金正日の妹婿)である。
 チェ・チュンファン副部長の立てた作戦はこうだった。大幅に工費と工期を過小に見積もり、完工の暁にはさらに大規模な発電所建設に着手するといものである。こうして金正日の気を引いてまんまと裁可を得、2005年10月10日(労働党創建60周年記念日)を完工日として、2004年2月1日に工事が開始された(発破式は同年5月)。
 こうして工事が始まるや、党組織部の焦燥感が高まった。建設計画がどだい無謀なのは最初からわかっているが、金正日から「組織部も助力せよ」との命令を受けている。失敗すれば連帯責任を問われる。かといって組織部が各種支援を惜しまずに工事が成功しても、成果は宣伝煽動部が全部かっさらってしまう。そして、組織部の権勢がみじめなほどに凋落する結果を招く。
 ここから組織部が猛烈な反撃に打って出る。着工間もなくの2004年3月~5月、全党的な思想闘争が突然に繰り広げられた。具体的には「酒風(大酒を食らう作風)禁止」で大勢の幹部が処罰され失職する粛清の嵐が吹いたのである。これこそが組織部が練りに練った宣伝煽動部のチェ・チュンファン副部長の除去をはかるために組織部が練りに練った謀略であった。


労働党書記局内の暗闘に焦る金正日


 こうして始まった三水発電所建設は、今年10月10日の完工期日が近づいても工事が遅々として進まない。もともと費用が足りないし、予定の工期があまりにも短すぎた。それにくわえて権力闘争の荒波にもまれている。まさに前途多難で波乱含みというしかない。とんだ誤算に金正日もさぞかし投げ出したい気分だろう。だが、そんなことをすれば自分の威信が大きく傷つくし、書記局内の暗闘にますます拍車がかかる。そこで自分のポケットマネーで建設機材を買い与え、予定通りの完工を宣伝煽動部に督促した。なお、機材の贈呈式には、かつて朝鮮中央放送委員長を務めたチョン・ハチョル労働党書記が出席している。しかし、いくら金正日が財布をはたいたからといって世紀の難工事が簡単に完成するはずがない。もしも10月10日の労働党創建記念日までに完成しなければ、党書記局内で新たな暗闘と粛清の嵐が吹き荒れる公算が高い。そして、無理に無理を重ねて「完成」させたとしても、三水発電所が無事に稼動するかどうかも疑わしい。事実、国家の威信を懸けて91年に完工した「順川ビナロン工場」は結局、ピクリとも動かなかった。こんどまた同じことが起きればタダではすまない。三水発電所建設は、独裁体制の行方を占う北朝鮮版「プロジェクトX」と言えるかもしれない。
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by ulutimagold | 2005-04-25 20:36 | 外交